9、移り変わる
今日も雨粒が窓を打ち付ける音がする。
この音も次第に弱まり、やがて雪が降る。
今までのどんな季節よりも
ずっと寒い冬が来る。
人肌が恋しくなる。
誰かの声が聞きたくなる。
それでもわたしは幸せでありたい。
心の灯火が消えることのないように。
水をかけられ消されたろうそくは、
もう一度火を灯そうとしてもなかなか難しい。
それなら新しい灯火を求めて、
心温まる安らぐ誰かの元で、
そっと静かに今は生きていたい。
誰かを想う心は
また誰かを想う灯火になる。
灯りは原動力。
迷い迷え、わたしよ、何が心安らぐか。
未来で苦しくなったら、
それはその時に考えよう。
人はいずれ消え、記憶の中で生きるのだから。
愛と憎しみは表裏一体。
いずれ執着するならば、愛の方が綺麗だ。